2025年12月25日木曜日

アンテナとタグの距離を測る その2

 前回の記事(もう5年も前ですけど)でざっくりとした計測をしたんですが、そんなことではいかんと思い直し、ちゃんと技術的にアプローチしようということにしました。

ちゃんと基礎からやって、どこまでできるかチャレンジしていきたいと思います。

リーダで計測できる位相を使います。位相ってあんまり着目していなかったのでどんなもんか見るところからやっていきます。

まずアンテナとタグの距離を d とすると、アンテナから出た電波がタグまで行って帰ってくるまでの距離は 2d になります。電波の波長を λ とすると、計測できる位相 φ は

φ = 2π * 2d/λ mod 2π

となります。電波の周波数を f とすると、λ = c/f なので、φ = 4πdf/c mod 2π になります。

これを実際に見てみようということで、位相だけを見るアプリを作ってみました。


まず 50cm のところにタグを置いて計測していますが、位相の値は安定しているのがわかります。ただ手を動かしたりすると位相が変化するので、結構マルチパスの影響を受けることもわかります。

50cm のところで 270° くらいだったので、これがぐるっと1回転するところまでタグを離していきます。周波数は 916.8 MHz 固定で出力したので、1波長は 3×10⁸ / 916.8×10⁶ ≈ 32.7 cm ということで、往復なので半分の 16cm くらい動かすと1回転する計算になります。動画でもそれが確認できると思います。

これだけだと正確な距離を測るには難しいので、MF-PDOAという手法にチャレンジしたいと思います。これは複数の周波数で位相を測定し、その差分で距離を求めるという手法です。次回以降これについて書いていきます。


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