2020年6月18日木曜日

アンテナとタグの距離を測る

UHFのRFIDタグをリーダで読み取りしたとき、タグがどのへんにあるのかを知りたくなるときがあります。あ、反応してる!してるけどドコ?という感じで。せめてアンテナからの距離がわかれば少しはマシですね。

アンテナからの距離というと最初に思いつくのは電波強度(RSSI)を使うという方法です。確かにタグが近いとRSSIは高くなりますし、タグから離れると低くなります。しかしながらRSSIは結構ざっくりした値でしかも距離に対して線形に変化する値ではないので、正確な距離を求めるにはちょっと物足りません。

そこで位相を利用することが考えられます。位相は昔のリーダでは値採れなかったんですが、最近のリーダはだいたい採れるようになっています。

位相をどう使うかなんですが、イメージとしてはこんな感じです。


1cm単位の精度が出せるというRTK(GPSのごっついみたいな)もこのようなことをしてるんじゃないかと誰かが言っていました。

というわけで計測をやってみます。最近のリーダは位相が採れると言いましたが、リーダによっては値のバラツキが激しかったりします(RSSIもそうですが)。比較的安定して採れている Impinj Revolution を使用しました。

計測風景
結果がこちら

d(cm) RSSI(dBm) 位相(度) 位相の差
5 -37.5 285.47
10 -38.5 206.72 78.75
15 -40.5 126.21 80.51
20 -42.0 46.05 80.16
25 -42.5 318.16 87.89
30 -43.5 228.16 90.00
35 -44.5 136.05 92.11
40 -45.5 42.89 93.16

左からアンテナとタグの距離、RSSI、位相、前の距離のときの位相との差になります。
こうして見ると、RSSIがざっくり下がっていくのに対し、位相は5cmごとに約80度~90度くらいずつ下がってますね。約20cmで一回りしてる感じです。

今回周波数を920.4MHzに固定して行ったので、1波長=c/920.4MHz≒32.6cm くらいですから、30cmくらいで一周すんのかなくらいに思ってましたがそうでもないようです。

とはいえRSSIで何発目の波かをあたりをつけて、位相を使って補正をすることで結構正確に距離がわかるような気がします。

実際はこんなにアンテナと正対することは無いですし、周りに他のタグがあったり電波の反射があったりしますからそううまくいくとはないと思いますが。

0 件のコメント:

コメントを投稿