2026年7月27日月曜日

送信しないRFIDリーダーを作る 〜 SDRで電波を傍受してEPCを読む

 RFIDのリーダーは、タグに向けて電波を出し、タグからの反射(バックスキャッタ)を受け取ることでEPC(タグの識別番号)を読み取ります。では、自分では一切電波を出さず、既存のリーダーとタグのおしゃべりを横から傍受してEPCを読めるでしょうか?

答えは「読める」です。しかも学術的には passive Gen2 monitor として知られた確立した手法だそうです。今回は、SDR(Software Defined Radio)で920MHz帯のRFID通信を録音し、電波の波形を1段ずつ追いながらEPCを復号するまでを、実際の測定波形とともに紹介します。使った受信機は12bitの Airspy Mini、RFIDリーダはタカヤさんのリーダーで試しました。

タカヤさんリーダとAirSpyと別の目的で作った自作の八木アンテナ

UHF帯のRFID(EPC Gen2 / ISO 18000-63)の通信は、非対称な2方向でできています。

 下り(リーダー→タグ): リーダーが搬送波の振幅を変調してコマンドを送る。信号は強い。

 上り(タグ→リーダー): タグは自分では電波を出せないので、リーダーの搬送波を反射する量を変化させて情報を返す(バックスキャッタ)。信号はとても弱い。

傍受する側から見ると、下りは「大きな声で喋るリーダー」、上りは「その声に乗るタグの小さなささやき」みたいなもんです。両方を復号できれば、会話の全容がわかります。

インベントリ(タグ読み取り)の基本的な流れは次のとおりです:

 リーダーが Query(読み取り条件を指定)を送る

 タグが RN16(16bitの乱数)をバックスキャッタで返す

 リーダーが ACK(さっきのRN16を含む)を返す

 タグが PC + EPC + CRC16 を返す ← これがEPC本体

つまりEPCは「ACKに対するタグの応答」に入っています。ここを狙って復号すればいいわけです(理屈では)。

まず簡単な下りから見ていきます。リーダーは搬送波(連続波)の振幅を落とすことでコマンドを送ります。SDRで受けたIQ信号の振幅(包絡線)をプロットすると、そのパルス列がそのまま見えます。

きれいに搬送波が谷を作っているのが見えますね。この録音ではASK変調深さが約42dB 搬送波がほぼゼロまで落ちていて、とても読みやすい条件でした。

Gen2の下りは PIE(Pulse Interval Encoding, パルス間隔符号) という方式です。ポイントは「谷(低レベル期間)の幅は一定で、谷から次の谷までの間隔で0と1を区別する」ことです。面白いのはこの方式だと谷が続かないので、電波を送り続けることができる点です。タグ側はチップに電力を供給し続ける必要があるので、この方式が採用されています。

 data-0: 短い間隔。この基準時間長を Tari と呼びます。
 data-1: 長い間隔。Tariの1.5~2倍。

図の測定値を見ると、

 data-0(Tari)= 25μs
 data-1 = 37μs(Tariの約1.5倍)
 谷の幅 PW = 約6.3μs

Tariはリーダーが決める基準時間で、規格上は6.25~25μsの範囲です。今回はちょうど上限の25μsになってます。Tariが分かれば、あとは「間隔がTari寄りか、その1.5倍寄りか」で全ビットを0/1に落とせます。閾値はだいたい 1.25 × Tari あたりに置けば安定します。

コマンドの先頭には delimiter(約12.5μsの決まった長さの谷)があり、これが「コマンドの始まり」の目印になります。delimiterに続いてdata-0とキャリブレーション用のパルス(RTcal / TRcal)が来て、リーダーはこのRTcal・TRcalの長さでTariや上りの周波数をタグに伝えます。

こうして下りを復号すると、Query・ACK・QueryRepといったコマンドが読めるようになります。特にACKには先ほどのRN16(16bit)が丸ごと入っているので、これを抽出できれば「次にタグがEPCを返す」タイミングが分かります(理屈では)。

下りの振幅(リーダーの声)と、上りのバックスキャッタ帯域のパワー(タグのささやき)を、同じ時間軸で並べてみます。

上段がリーダーのコマンド列、下段がタグの応答です。リーダーが喋る(上段にパルス列)→ 少し間を置いてタグが答える(下段にバースト)、というターン制の対話がはっきり見えます。下段の長いバーストが、狙っているEPC応答です。

いよいよ本命の上りです。ACK直後のタグ応答を、周波数×時間のスペクトログラムで見てみます。
うはー、面白いですね。ここから読み取れることが3つあります。

搬送波(0kHz)の上下に対称なサイドバンドが出ています。バックスキャッタは搬送波の振幅変調なので、必ず上下対称に現れます。この対称性は「これは本物のタグ信号だ」という強い証拠になります。
応答の先頭に約280μsのクリーンなトーン(パイロット)があり、その後変調されたデータが続く形になっています。データ部分が PC + EPC + CRC16 です。
サイドバンドは搬送波から**±252kHz**の位置に出ています。この周波数を BLF(Backscatter Link Frequency) と呼ぶそうです。
タグはこのBLFの副搬送波(サブキャリア)を、Miller符号でデータに応じて位相反転させています。今回は1ビットが4サブキャリア周期分の Miller-4(M=4)で、ビット長 約15.9μs、データレート約63kbps。応答の長さ(約2.2ms)とビット数(PC+EPC+CRC = 128ビット)ともぴったり合います。

ハマった罠 その1  Millerスペクトルの「谷」

さて、上りを復号するにはBLF(=252kHz)を正確に知る必要があります。復調でこの周波数だけ抜き出し、ビットクロックの基準にするからです。数%ずれると128ビットの間にクロックがずれて復号が全滅します。

「スペクトルのピークを探せばBLFだろう」 そう思って最初に失敗しました。応答のスペクトルを高分解能で見ると、こうなっていたのです。
ピークが 227kHz と 277kHz の2本あり、その中間の252kHzには谷があります。実はこれがMillerサブキャリアの性質だそうで、パワースペクトルは真のBLFに谷を作り、両側に2つのピークが立つのです。素直にピークを拾うと227kHzを掴んでしまい、正しい252kHzを外して復号が一切通りませんでした。

正解は「2つのピークの中点をBLFとする」でした。252kHzを使った瞬間、すべてがカチッと噛み合いました。

Miller復号とCRC  そして罠 その2

BLFが決まれば、あとは+BLFのサイドバンドを複素ベースバンドに落とし、隣り合う半ビットの位相差を見てMillerの位相反転(=データ)を読み取ります。この差動方式は、タグの発振器が多少ドリフトしても壊れないのが利点です(安価なタグの発振器は結構ふらつくそうです)。

こうして128ビットを取り出したら、最後に CRC16 で検証します。Gen2のCRC16は生成多項式 0x1021、初期値 0xFFFF。PC + EPC に対して計算した値が、受信したCRCフィールドと一致すれば復号成功が確定します。CRCが通れば、それは間違いなく正しいEPCです。

…と言いたいところで、罠その2にハマりました。

復号では「BLFを少しずつ変え、ビット開始位置を総当りして、CRCが通る組み合わせを探す」ということをします。ところが16bitのCRCは1/65536の確率で偶然通ってしまいます。数百万通りの位置を試して「最初に通った1つ」を採用すると、偶然CRCを通過した誤読(偽陽性)を本物だと思ってしまうのです。実際、最初は「6応答すべて成功!」に見えたのに、探索範囲を変えると別のEPCが出てきて、嘘だと発覚しました。

対策はこうです。本物の復号は、BLFや開始位置を少しずらしても同じEPCを出します。つまり正解の周りには「同じEPCが通る位置のクラスタ」ができます。逆に偶然のCRC通過は孤立した1点です。そこで、少しずつ条件をずらして復号を何百回も試し、同じEPCが多数の位置で通ったもの(=クラスタ)だけを本物とみなすという投票方式にしました。これで6つのインベントリラウンドすべてが同一のEPCを約490箇所で一致し、偽陽性は1~2票で自動的に弾かれ、結果が確定しました。

オフラインで復号できたら、あとはこれをストリーム処理にするだけです。差動復調のベクトル化、BLFのロック、投票の早期終了などで高速化し、150msのチャンクを約280msで処理できるようにしました。結果、AirspyからリアルタイムでEPCを読み取るパッシブモニターが完成しました。

面白いのは、応答のサイドバンド強度(SNR)を測っておくと、それがそのままタグの方向探知に使えることです(これが八木アンテナを作った理由です)。読めたEPCの中から追いたい1個を選び、そのSNRを音のピッチに変換すれば、八木アンテナを振って「ピッチが最高になる向き」を耳で探せます。複数のタグが混在する環境でも、特定のEPCのタグだけを狙って方向を特定できるわけです。

まとめ

送信機能なしのSDR受信機だけで、

 下りのPIE(Tari基準のパルス間隔符号)を包絡線から復号し、

 上りのMillerバックスキャッタをスペクトログラムで捉え、

 BLFの「谷」とCRCの偽陽性という2つの罠を越えて、

 CRC検証済みのEPCを、リアルタイムで読み取る

ところまで到達しました。なんとまぁ、何に使うの的なものはありますが Mojix もこんなことしてんのかな?みたいな感じですね。


2026年6月5日金曜日

MANICAモバイルでBLEタグ(BT11)

 ※注意 ここで紹介する機能は、MANICAモバイルの次期バージョンである MANICA MOBILE NEXT の機能になります。また、後段で出てくるAR機能は iOS版限定の機能になります。Android版は後日リリースの予定です。(※6/15追記 Android版もリリースされました)

BLEタグの製品として、BT11というのがあります。BLEビーコンに、ブザー、6色LED、温度センサーが搭載されたもので、BLEの届く範囲であればブザーを鳴らしたりLEDを光らせたりと探し物にとても役立つ製品です。MANICAモバイルの次期バージョンである MANICA MOBILE NEXTでは、このBT11にも対応しました。

BT11

まずはBT11を登録します。メニュー画面の右上のメニューから「BT11を登録」を選択するとカメラビューになります。ここでBT11に付いているQRコードを読ませることで登録することができます。

登録が終わったら、探索画面に移動して登録したBT11を検索します。この時点で近くのBT11を探し始めます。該当のBT11が見つかると、その項目にチェックがつきます。

この状態からアイテムをタップすると

ほら、LED点灯と共にブザーが鳴ります。探し物に便利です。

さらにiOS版であればAR探索機能も使えます。アイテムを長押しするとAR探索ビューが表示されます。タグのAR探索と同様に、ウロウロすることで該当のBT11があるであろう方向に矢印がでます。さらに左下の「鳴らす」をタップすると、LED点灯と共にブザーが鳴り、さらに温度を取得して画面に表示されます。

これで探し物に対する選択肢がまた1つ広がりましたねー。

2026年6月4日木曜日

MANICAモバイルでAR探索

 ※注意 ここで紹介する機能は、MANICAモバイルの次期バージョンである MANICA MOBILE NEXT の iOS版限定の機能になります。Android版は後日リリースの予定です。(6/15追記 Android版もリリースされました)

前回は光るLEDタグを使って探索を行う内容でした。探索するには強力な機能ですが、対応タグが必要になる前提でした。今回は普通のパッシブタグで探索ができるAR探索の機能を紹介します。

まずは使ってみましょう。探索画面で物品を検索し、結果の中から探したいアイテムを長押しするとカメラビュー(AR探索画面)が開きます。はじめに端末を少し左右に振るか、数歩歩いてください。ARKitが床や壁を認識し、方向推定が安定します。中央の3D矢印がタグの方向を指します。画面下部の距離ゲージは、近づくにつれて**緑(遠い)→ 橙(近い)→ 赤(至近)**と色が変わります。赤になったら、その周辺を目視で確認してください。

AR探索を行っている様子

RFIDリーダがタグから得られる情報はRSSIと位相がありますが、この機能ではRSSIのみを使用しています。さてどうやって矢印を表示しているのか。RSSIは、近いほど強く、遠いほど弱い値になります。だから1つの値からでも、ざっくりした距離を出すことはできます。電波の減衰は距離に対して対数的なので、いわゆる log-distance パスロスモデルで逆算します。

距離 d = 10 ^ ((RefRssi@1m - rssi) / (10 × n))

RefRssi@1m は1m地点での基準強度、n は経路損失指数。室内・金属環境のパッシブRFID(電波が反射して戻る後方散乱)では n = 4 あたりを使っています。生のRSSIはマルチパスで激しく暴れるので、EMA(指数移動平均)で平滑してから距離に変換します。

ただ、これだけだと「近い・遠い」しか分からないので、従来のビープ探索と同じです。方向を出すには、もう一つの情報源が要ります。

カギは「スマホがどこにいるか」を知っていること。

ここで ARKit を使います。ARKit は、スマホを動かすとカメラが空間のどこにいるか(ワールド座標)と、どっちを向いているかを毎フレーム返してくれます。これと RSSI を掛け合わせます。

タグを検出するたびに、そのときのカメラのワールド座標とRSSIをペアで記録します。

空間を10cm角の格子(ボクセル)に区切り、格子ごとにRSSIをEMAで平滑し、(同じ場所で何度も拾った値をならし、マルチパスのノイズをここで吸収する)RSSIが強かった**上位8ボクセルの「RSSI重み付き重心」**を計算します。これが「タグはこの辺りにある」という推定点(ホットゾーン)になります。

ここでカメラの現在位置から、その重心へ向かうベクトルを求めます。これが方向(水平の方位+上下の仰角)になります。

つまり、スマホを持って少し歩き回るだけで、空間に「電波が強かった場所の塊」が浮かび上がり、そこへの矢印を引ける、という理屈になります(そうはうまく行かんけどな)。重心は世界座標で固定されるので、利用者がタグを通り過ぎれば、矢印はちゃんと後ろを振り返ります。

確信度も出しています。上位ボクセルのばらつき(重み付きRMS距離)が小さいほど「ここだ」と言い切れるので確信度を高く、散らばっていれば低くします。確信度が一定以下のときは矢印を出さないようにします(自信ないのでな)。


2026年6月3日水曜日

MANICAモバイルで光るタグ

 お手軽に RFID 管理をはじめられる MANICAモバイルは、実は光るLEDタグにも対応しています。探してるけど見つからない!というときはこの光るタグがとても有効です。MANICAモバイルではKiloway/CAB/TU03の3種類のLEDタグに対応しています。現在開発中の MANICA モバイルの次期バージョンである MANICA MOBILE NEXT でもこの機能は搭載されます。しかも MANICA MOBILE NEXT は iOS版も提供しますので、iOSでも光るLEDタグを利用可能です。

こちらがLEDタグになります。左側が KilowayのタグでラベルタイプにLEDがそのままついてます。CABも同じようなタイプになります。右側がリキッドタイプで電池内臓で音も鳴ってめっちゃ遠くから光らせることができます。

それでは使ってみましょう。タグの登録は普通のタグと同じでメニュー画面でタグを読み取りすることで登録できます。その後、メニュー画面の右上のメニューボタンを押すと、LEDをONというメニューがあります。タップするたびにLED使用のON/OFFが切り替わり、ONにするたびにタグの種類が Kiloway → CAB → TU03 →(先頭に戻る) と循環します。

あとは探索画面で光らせたいタグを選んでから、リーダで読み取りすると

光ったー(見えますかね?左側が光ってます)

TU03だと電池内臓なのでこんな遠くからも光らせられます。

専用のタグが必要にはなりますが、もの探しにはもってこいの機能になります。


2026年5月21日木曜日

AIで変わる!“ビッグデータ時代”に始まるRFIDの真価とは?

RFIDは“読む”から“分析する”時代へ

最近、AIの進化がすごい勢いで進んでいます。

ChatGPTをはじめ、
「AI活用」「AI分析」「生成AI」という言葉を見ない日はありません。

そんな中で最近あらためて感じているのが、

「RFIDの価値も大きく変わり始めている」

ということです。

これまでRFIDというと、

  • 棚卸
  • 在庫管理
  • 入出庫管理
  • ICタグ読み取り

など、「読むこと」が中心でした。

ただ、AI時代になった今、
RFIDの価値は“その先”に進み始めています。

それは、

「現場データを継続的に記録し、分析・改善につなげること」

です。


「ビッグデータ」の価値は語られていた。でも扱いきれなかった

「ビッグデータ」という言葉は、かなり前から存在していました。

企業には以前から、さまざまなデータがあります。

  • Webアクセス
  • 問い合わせ履歴
  • 勤怠
  • 工数
  • 出荷履歴
  • 在庫データ
  • センサーデータ

しかし実際には、

「データはある。でも活かしきれない」

というケースも多かったと思います。

さらに重要なのは、
内部データだけではなく、

  • 市場動向
  • 競合
  • 天候
  • 繁忙期
  • イベント

など、

“外部要因”も含めて分析する必要がある
ということです。

しかし実際には、

  • データが別々のシステムに分断されている
  • 横断分析が難しい
  • BIツールが高い
  • 分析人材が必要
  • システム構築コストが高い

といった課題がありました。

つまり、

「ビッグデータ」の価値は語られていた。
でも現実には、膨大なデータを扱いきれていなかった。

というのが実情だったと思います。


AIの普及で、状況が一気に変わり始めた

しかし最近、AIの普及で状況がかなり変わってきました。

以前は難しかった、

「異なる種類のデータを横断的に分析する」

ことが、かなり現実的になってきています。

例えば、

  • RFID利用履歴
  • 勤怠
  • シフト
  • 出社人数
  • 会議予定
  • 問い合わせ数
  • 出荷量
  • 繁忙期

こうしたデータを組み合わせ、AIで傾向を分析する。

しかも今は、自然言語でAIに相談しながら、

  • 傾向分析
  • 異常検知
  • 仮説出し

などを、以前より圧倒的に手軽に試せるようになっています。

これはかなり大きな時代変化だと思います。


「記録しておく価値」が一気に上がった

ここで重要なのが、

「まず記録しておく」

ことです。

以前は、
「記録しても活用できない」
ケースも少なくありませんでした。

しかしAI時代になった今、

「後から分析できる」

可能性が一気に高まっています。

つまり、

「まず記録しておく」

こと自体に、大きな価値が出てきています。


そこで改めてRFIDの真価が問われる

ここで改めて価値が高まっているのが、RFIDです。

RFIDの真価は、

「現場データを自然に継続記録できる」

ところにあります。

例えば、

  • 誰が
  • 何を
  • いつ
  • どこで
  • どれくらい利用したか

こうした情報を、現場負担を大きく増やさず記録できる。

これはかなり大きいです。


RFIDは“在庫管理だけ”ではない

RFIDというと、どうしても「在庫管理」のイメージが強いですが、
実際には、

  • 利用頻度
  • 持出傾向
  • 探し物
  • 利用時間帯
  • 滞留
  • 利用偏り

など、

「現場の動き」

を記録できる技術でもあります。

ここに、AI時代との相性の良さがあると感じています。


“現場のクセ”が見えてくる時代へ

例えば、

  • 月曜朝に探し物が増える
  • 特定備品だけ不足しやすい
  • 特定の人に利用が偏る
  • 繁忙期に持出が集中する
  • 使われていない備品がある

以前なら、

「なんとなく感じていたこと」

が、

「データとして見えてくる」

可能性があります。

さらに、

  • 勤怠
  • 出社人数
  • シフト
  • 問い合わせ数
  • 出荷量

などと組み合わせることで、

「なぜそうなっているのか」

も見えやすくなってきます。


RFIDは“読む”から“分析する”時代へ

以前のRFIDは、

「タグを読む」

こと自体が中心でした。

しかしAI時代になった今、

「継続記録したデータを、後から分析・改善につなげる」

方向へ、価値が大きく変わり始めています。

つまり、

RFIDは“読む”時代から、“分析する”時代へ

移り始めているのです。


まとめ

AI時代になったことで、

「記録したデータを活かせる時代」

になってきました。

そして今、

「継続的にデータを取得できるRFID」

の価値が、改めて高まり始めています。

今後は、

「どれだけ読むか」

ではなく、

「どんなデータを継続記録し、どう分析・改善につなげるか」

が重要になっていくのかもしれません。

2026年4月22日水曜日

RFIDファラデー ケージを作ってみよう (7) ダンボール箱をアルミホイルで再び

  ハヤト・インフォメーションの製品に「MANICA EXCEL TOOL 棚卸しパッケージ」(マニカ エクセルツール棚卸しパッケージ)があります。

 https://www.hayato.info/tanaorosi/index.htm 

です。エクセルからRFIDを読み取ることが可能です。お手頃な価格で役に立ちます。

RFIDハンディを便利に使う。特に「読み込みすぎて困る」お悩みに役立つことを祈って、今回は電波を遮断するファラデーケージを安価に試して見ようと思ってファラデーケージのシリーズです。


今回は、前回の

「RFIDファラデー ケージを作ってみよう (2) 安価なダンボール箱とサバイバルシートを試して見よう

 https://enjoy-rfid.blogspot.com/2026/03/rfid-2.html

にて使用したダンボール箱を「アルミ箔」にて試して見よう。という話しになります。


近所のフジスーパーのキッチン用品コーナーで買ってきたアルミホイルです。

これをダンボール箱に巻きます



この中にICタグを格納して、RFIDハンディリーダーで試してみました。


結果は、、、、、。

前回までの「アルミ蒸着シート」と「アルミ箔」の違いでしょうか。

アルミ箔でダンボール箱を包んだところ、1W出力でハンディのアンテナを2mmの近さに近づけても、ICタグは読み取れませんでした。

(もちろん、上部のアルミ蓋を開いて電波を照射すると読み取れました。)


「薄くてもアルミ板」であるアルミ箔は、電波遮断の効果が高そうです。


ICタグに対する電波遮断を、RFIDファラデーケージ シリーズの(1)から(6)をまとめると、

・広い範囲を、安上がりに、弱い電波では読み取らせないこと。<-アルミ蒸着シートで区切る

・RFID電波をしっかり遮断したい。<-比較的に高価になるがアルミ箔でくるむ

という使い分けをすると良さそうです。

ただ、試して気が付いたアルミ箔の欠点は、うっかり破いてしまいそうになることです。

破れた箇所をそのままにすると、電波が侵入して、遮断効果が薄れたりする可能性があります。

作業で破らないように気を使うという意味では、アルミ箔は使いにくかったです。

アルミ箔は、お客様の現場では嫌われる可能性があると思いました。


今回は以上です。

2026年4月15日水曜日

RFIDファラデー ケージを作ってみよう (6) アルミ蒸着シートとアルミホイルの違いを推測してみた

  ハヤト・インフォメーションの製品に「MANICA EXCEL TOOL 棚卸しパッケージ」(マニカ エクセルツール棚卸しパッケージ)があります。

 https://www.hayato.info/tanaorosi/index.htm 

です。エクセルからRFIDを読み取ることが可能です。お手頃な価格で役に立ちます。

RFIDハンディを便利に使う。特に「読み込みすぎて困る」お悩みに役立つことを祈って、今回は電波を遮断するファラデーケージを安価に試して見ようと思ってファラデーケージのシリーズです。


これまで、いくつか試して見ました。

「アルミ蒸着シート」と「アルミホイル」では違う様子です。

と、言うのは、

災害対策品のアルミ蒸着シートは10センチメートル程度で1W出力RFIDハンディを近づけると、ICタグを読み取ることができた。

アルミ蒸着シートは、まるで電波が通り抜けているような感じです。

排気ダクトのアルミホイルは近づけてもICタグの電波は遮断されていた。

見た目には、同じピカピカしたアルミニウムだけど、物としては違うのだろうか?

その作り方の違いを調べて見ました。


アルミ蒸着シート

アルミ蒸着シートは、熱して蒸発したアルミ噴霧の中でフィルムにくっつかせて作るようすです。

NISSHA様のホームページで紹介されてます。

 https://connect.nissha.com/nii/aluminium_deposition_technology/ 

フィルムにくっついたアルミ噴霧は、どれくらいの厚さになるのだろう?

日東分析センター様が紹介しています。

 https://www.natc.co.jp/result/r0960214/ 


「蒸着アルミ層」と、とっても薄いのですね。「厚み:約50nm」と書いてあります。
噴霧されたアルミの小さな小さな「粒」がくっついているのですね。


アルミ箔

アルミ箔は、アルミニウムの塊を引き延ばして作るみたいです。

東洋アルミエコープロダクツ様が紹介しています。
 https://www.toyoalumi-ekco.jp/sunfoil/features/ 


これを見て、以前から思っていた、別の疑問が解消されました。
キッチン用のアルミホイルを見ると、ピカピカした面と鈍く光る面があります。
きっと、ピカピカ面には何かが塗ってあるのだろう、と思っていたのですが違うそうです。
引き延ばす時に2枚重ねて引き延ばすので、アルミホイルが重なった面がピカピカになるそうです。驚き!
と言うことで、アルミホイルは、薄いけど「アルミ板」なのですね。

RFID電波に対する違い

RFID電波に対する挙動の違いは「粒と粒の間の間隔」と「厚み」かな、と推測しています。
アルミホイルはアルミの塊を引き延ばした物なので100%のアルミ。薄いけど「アルミの板」なので電波は漏れにくい。
アルミ蒸着シートは、シートにアルミ噴霧がくっついているので、電子顕微鏡で見ないと分からないくらいの薄さ。
霧のつぶと、となりの霧のつぶには間隔がありそうだ、電波にとっては隙間なのだろうな、だからRFID電波が漏れていたのか!
と、思いました。
アルミ蒸着シートは2枚重ねにしてRFID電波を遮断できる効果が高まるのは、
シートにくっついた「粒」を通り抜ける確率が低くなる仕組みかな、と推測しています。

RFIDファラデーケージ実験は、アルミホイル(薄くてもアルミ板)にて継続してみようと思います。

今回は以上です。