2019年11月29日金曜日

ItemTestを使ってxSpanをDirectionモードで動かしてみた

前回はSpeedway Connectを使ってxSpanを制御してみました。今回はItemTestを使ってxSpanを制御してみようと思います。ItemTestはImpinjが出しているテストツールで、上記ページからダウンロード可能です。

今回使ったもの


  • Impinj xSpan
  • ItemTest (v1.14.0)

セットアップ

ダウンロードしたzipファイルを解凍し、exeを実行し、ウィザードを進めれば、セットアップが完了します。

初期設定~読取

  1. アプリを起動し、メニュー左上の「Reader Settings」をクリック
  2. 「New」ボタンをクリックし、xSpanのIPアドレスを入力
  3. 追加されたリーダの「Configure」ボタンをクリックすると、「Field of View」や「Age Interval」「Tag Population」などConnect同様の項目が設定可能
  4. OKを押してメイン画面に戻って「Direction」タブを選択
  5. 「Start」ボタンを押すとタグ読取が開始
  6. 「Stop」ボタンを押すとタグ読取が終了

ログファイル

左下のLog fileのところに、ファイル名を入力しておくと、Start~Stop間で読まれたタグの情報が下記フォルダにCSVファイルとして出力されます。

C:\Program Files (x86)\Impinj\ItemTest\log

出力例はこんな感じです。

// 2019/11/29 22:08:14
// Sector2=True, Sector3=True, Sector4=False, Sector5=False, Sector6=False, Sector7=False, Sector8=False, Sector9=False, Mode=Mode 0 : Max Throughput, Power=30, FieldOfView=Narrow, AgeInterval=4, UpdateInterval=2, EnableSendUpdates=False, TagPopulationLimit=50, ReaderName=192.168.0.91
1575032894605449,Entry,E280117000000209839C2903,2,OK,FirstSeenSector=2,FirstSeenTime=1575032894605449
1575032894639373,Entry,30147A24C415FD81F4500001,3,OK,FirstSeenSector=3,FirstSeenTime=1575032894639373
1575032897771621,Entry,30352E22B81F6D9400000014,3,OK,FirstSeenSector=3,FirstSeenTime=1575032897771621

それぞれの列の意味は多分下記のようです。
  • 1列目はTimestampっぽいのですが、16桁あります。先頭10桁がUnix Timeのようです。
  • 2列目はEntry(タグが範囲に入った)かExit(範囲から出たか)です。
  • 3列目がタグID(EPC)です。
  • 4列目が読まれたSectorです。
  • 5列目がTag Population Statusで読取範囲にタグが多すぎると正しく推定できずエラーになるそうです。
  • 6列目が最初に読まれたSectorです。
  • 7列目が最初に読まれたTimestampっぽいのですが、例のごとく16桁あり、先頭が10桁がUnix Timeのようです。

Tag Population Statusについては、XARRAY AND XSPAN GATEWAYS DEPLOYMENT AND BEST PRACTICESに下記記載がありました。タグ読取数が設定したTag Populationを超えると、User Overflowに、High Performance Modeの場合、50タグを超えると、System Overflowとなり、正しく方向を推定できないそうです。



Rx Sensitivityを設定して、ある程度返信強度の強いタグに絞って推定すればよいのかなとも思ったのですが、Directionモードでは設定できないようです。ItemSenseの場合は確かRx Sensitivityも設定できたような気がするので、方向検知を使いこなすにはItemSenseを使うべきということでしょうか。いずれにしろ方向検知を使いこなすにはいろいろと知識が必要そうです。

2019年11月15日金曜日

Speedway ConnectをxSpanにセットアップしてみた

前回Speedway ConnectRevolutionにセットアップしてみましたが、今回はxSpanにセットアップしてみます。さらに各パラメータについても少し調査してみたので、まとめてみます。

今回使ったもの

  • Impinj xSpan
  • Impinj Speedway Connect (v2.8.0 トライアル版)

セットアップ

前回同様まずはxSpanのFirmwareを最新にアップグレードし、そのあとにConnectをセットアップしました。

Directionモード

xSpanの場合、Reader ProfileでDirectionが選択可能です。Directionを選択すると、Direction Configurationが設定可能となります。


今回はタグがリーダのField of Viewから抜けて10秒後に通知するようにしてみます。そのために下記のように設定しました。

Tag Age Interval: 10 secs
Send Entry Reports: false
Send Exit Report: true

たとえば、環境によってタグがFOVをチラチラしている場合にはTag Age Intervalを長めにとってあげればよさそうです。タグがFOVに入った時に通知したい場合はSend Entry Reportsをtrueに設定すればよいです。

Filtering Software


上記とは別のパラメータにFiltering Softwareという項目があります。こちらはRead Windowの間に同じタグを読んだ場合はそのタグを読み飛ばすという設定のようです。ようです、というのは設定秒経過させてから読ませてみてもうまく通知されず、もう少し経ってからでないとタグの読取が通知されなかったためです。そのため、パラメータの理解が間違っているかもしれません。(あるいは実験の仕方が)


Read Window: 60 secs
ちなみに読取結果は下記のようなJSON形式(かKey-Value Pairs)で通知されます。


{
 "reader_name": "Impinj RFID Reader",
 "mac_address": "00:16:25:13:08:7B",
 "tag_reads": [{
  "epc": "30352E22B80E2C0800000008",
  "type": "exit",
  "tagPopulationStatus": "ok",
  "firstSeenTime": "2019-11-15T12:17:59.323644Z",
  "lastSeenTime": "2019-11-15T12:18:04.109023Z",
  "firstSeenSector": 3,
  "lastSeenSector": 3
 }, {
  "epc": "30352E22B80E2C0800000008",
  "type": "exit",
  "tagPopulationStatus": "ok",
  "firstSeenTime": "2019-11-15T12:23:09.397258Z",
  "lastSeenTime": "2019-11-15T12:23:18.743426Z",
  "firstSeenSector": 3,
  "lastSeenSector": 3
 }]
}

HTTP POST

最後にこれはトライアル版特有なのかもしれませんが、一度POSTした内容を何回もPOSTしているようです。特有といったのはトライアル版には読取できるタグ枚数が500までという制限があるため、読んだタグを保持し続けているのかもしれません。

今回は10秒間隔でHTTP POSTするように設定しています。


Update Interval: 10 secs

すると、下記のように同じ内容のデータが10秒間隔で通知されてきます。



まとめとこれから

Speedway ConnectをxSpan上で動かしてみました。いくつかパラメータを設定することで、あるタグがいつからいつまでその場に留まったかを通知できることが分かりました。今回は試していませんが、認証機能も持っているため、直接クラウドと連携することも可能です。そういう意味でいわゆるIoTにおけるエッジコンピューティングを担う存在と言えます。今後はパラメータの理解を深め、面白い事例につなげていきたいと思います。


2019年11月1日金曜日

フロントガラスにICタグ貼るだけのETC!?

先日、台北で見かけたトラック、よく見るとフロントガラスにICタグが貼られてました。


街中の市場に停めてあるトラックだったんですが普通にパッシブのICタグが貼られていて、気になって調べてみると、日本でいう所謂ETCの役割を果たすものだったんですね。

何とも合理的で素晴らしいなぁ、さっそく真似したいなぁと思うのですが、日本だとフロントガラスにシール貼るだけで道交法違反になりますのでご注意くださいね(笑

ちなみに、フロントガラスにICタグ貼る系で気になってるのが、ブラジルの事例。
https://www.nfcw.com/2019/09/10/364322/nissan-to-build-rfid-payments-into-all-cars-sold-in-brazil/



新車のフロントガラスに、最初からICタグはった状態で販売してるというのだから驚きです。

高速道路はもちろん、駐車場やガソリンスタンド、それからマクドナルドみたいな飲食系も対応してるみたいで、どこでもドライブスルーだそうです。アイデア次第で、ほんと色んな使いみちありますね!