BLEビーコンを活用して地域を見守るミマモライド、自動販売機に受信機をインストールしていくアプローチの斬新さも相まって、沖縄県内に着々と実装が進んでいます。
認知症の方のお出かけをサポートするという考え方も広く支持されるようになり、今回もTVニュースでご紹介いただきました。
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フラッグタグとは、金属製品に貼り付け、金属自体で電波を受けることが可能なため、小さなサイズでも長い距離を読み取れるタグです。
昨年の3月にフラッグタグで、10m以上の読み取り距離を実現できるかを試したのですが、今回は、金属を塗装して、読み取り距離を比較してみました。
実験で使用したタグとリーダーは、前回と同様、以下になります。
タグ : Smartrac Midas Flag Tag
リーダー : デンソー BHT-1281
距離の測定には、レーザー距離計を使用しました。
レーザー距離計はm(メートル)単位で、小数点3桁まで測定できるのですが、今回の実験では、7回読み取った距離を計測して、平均値の小数点3桁目を四捨五入しました。本文の距離の単位はメートルとなります。
また、金属は、0.5×100×200 mm (厚さ×縦×横)の鉄板を使用しました。
使用した塗料は以下の2種類になります。特殊な塗料ではなく、一般的な金属用の塗料です。
① 亜鉛メッキ塗料
使用した塗料には亜鉛が含まれています。メーカーのホームページによると、「導電性はありますが、樹脂や添加剤などにより電気抵抗があります。」との事なので、多少の導電性はあるようです。
② 合成樹脂塗料
使用した塗料には、合成樹脂として、アクリル・シリコンが使用され、絶縁性があります。
前回と同様、フラッグタグを貼った金属板を、プラスチック製のタブレットスタンドに立てかけました。(写真は亜鉛メッキ塗料で塗装した鉄板)
リーダーのMANICA EXCEL TOOL で電波を4番目にして、立てかけた金属板を正面から読み取りました。
なお、レーザー距離計のレーザーを金属板に当てるのが難しかったので、10cm後方の壁に当てて距離を測定しました。
以下の順位と読み取り距離になりました。
1位 塗装なし : 5.61
2位 亜鉛メッキ塗料 : 5.51
3位 合成樹脂塗料 : 5.36
また、3枚の金属版を横に並べ、リーダーで読み取りながら近づいた時に、どれが一番先に読み取ったかを調べました。(18 回 実施)
1位 塗料なし : 12 回
2位 亜鉛メッキ塗料 : 5 回
3位 合成樹脂塗料 : 1 回
塗装すると読み取りが少し悪くなりますが、亜鉛メッキ塗料の方が読み取りがよい、という結果になりました。亜鉛メッキ塗料は導電性があるので、電波の減衰を抑える効果があるようです。
ちなみに、以前の実験で使用した、導電塗料で塗装したプラスチック容器にフラッグタグを貼って、読み取りを試したのですが、貼らずにタグのみを読み取った場合との違いがありませんでした。(写真は2022年1月に、導電塗料を使ってシールド効果を実験した時の容器)
つまり、塗料自体で電波を受ける事はなく、電波の減衰を抑える効果のみのようです。
<参考>
『フラッグタグで、読み取り距離10m以上を実現してみた』(2023年3月)
https://enjoy-rfid.blogspot.com/2023/03/blog-post.html
『塗料のシールド効果を実験してみた』(2022年1月)
https://enjoy-rfid.blogspot.com/2022/01/blog-post.html