2024年7月18日木曜日

ミマモライドが、ニュースで紹介されました。

BLEビーコンを活用して地域を見守るミマモライド、自動販売機に受信機をインストールしていくアプローチの斬新さも相まって、沖縄県内に着々と実装が進んでいます。

認知症の方のお出かけをサポートするという考え方も広く支持されるようになり、今回もTVニュースでご紹介いただきました。


徘徊する権利を守る、という大きな目的は、決して技術的なサポートのみで成り立つものではありません。どうやって地域として見守っていくのか、まだまだ実験途上のプロジェクトではありますが、エリアに受信機ネットワークが拡がっていくことで、スマートシティ的なセンサーノードの拡がりとか、多用途展開への道筋も見えてきそうですよね。

もちろんBtoB領域でも活用できる技術ですので、広いエリアでの所在管理などにお困りの方はお気軽にお問い合わせください。




2024年7月4日木曜日

フラッグタグで、塗料による読み取り距離を比較してみた

フラッグタグとは、金属製品に貼り付け、金属自体で電波を受けることが可能なため、小さなサイズでも長い距離を読み取れるタグです。

昨年の3月にフラッグタグで、10m以上の読み取り距離を実現できるかを試したのですが、今回は、金属を塗装して、読み取り距離を比較してみました。

実験で使用したタグとリーダーは、前回と同様、以下になります。

タグ   : Smartrac Midas Flag Tag

リーダー : デンソー BHT-1281

距離の測定には、レーザー距離計を使用しました。

レーザー距離計はm(メートル)単位で、小数点3桁まで測定できるのですが、今回の実験では、7回読み取った距離を計測して、平均値の小数点3桁目を四捨五入しました。本文の距離の単位はメートルとなります。

また、金属は、0.5×100×200 mm  (厚さ×縦×横)の鉄板を使用しました。

使用した塗料は以下の2種類になります。特殊な塗料ではなく、一般的な金属用の塗料です。


① 亜鉛メッキ塗料

  使用した塗料には亜鉛が含まれています。メーカーのホームページによると、「導電性はありますが、樹脂や添加剤などにより電気抵抗があります。」との事なので、多少の導電性はあるようです。

② 合成樹脂塗料

  使用した塗料には、合成樹脂として、アクリル・シリコンが使用され、絶縁性があります。

前回と同様、フラッグタグを貼った金属板を、プラスチック製のタブレットスタンドに立てかけました。(写真は亜鉛メッキ塗料で塗装した鉄板)



リーダーのMANICA EXCEL TOOL で電波を4番目にして、立てかけた金属板を正面から読み取りました。


なお、レーザー距離計のレーザーを金属板に当てるのが難しかったので、10cm後方の壁に当てて距離を測定しました。

以下の順位と読み取り距離になりました。

  1位 塗装なし     : 5.61

  2位 亜鉛メッキ塗料  : 5.51

  3位 合成樹脂塗料   : 5.36

また、3枚の金属版を横に並べ、リーダーで読み取りながら近づいた時に、どれが一番先に読み取ったかを調べました。(18 回 実施)

  1位 塗料なし    : 12 回

  2位 亜鉛メッキ塗料 :  5 回

  3位 合成樹脂塗料  :  1 回

塗装すると読み取りが少し悪くなりますが、亜鉛メッキ塗料の方が読み取りがよい、という結果になりました。亜鉛メッキ塗料は導電性があるので、電波の減衰を抑える効果があるようです。


ちなみに、以前の実験で使用した、導電塗料で塗装したプラスチック容器にフラッグタグを貼って、読み取りを試したのですが、貼らずにタグのみを読み取った場合との違いがありませんでした。(写真は2022年1月に、導電塗料を使ってシールド効果を実験した時の容器)

つまり、塗料自体で電波を受ける事はなく、電波の減衰を抑える効果のみのようです。


<参考>

『フラッグタグで、読み取り距離10m以上を実現してみた』(2023年3月)

https://enjoy-rfid.blogspot.com/2023/03/blog-post.html

『塗料のシールド効果を実験してみた』(2022年1月)

https://enjoy-rfid.blogspot.com/2022/01/blog-post.html