フラッグタグは、金属製品に貼り付け、金属自体で電波を受けることが可能なため、小さなサイズでも長い読み取り距離を実現しました。
フラッグタグを紹介する一部のサイトでは、金属部分の形状や大きさによっては、10m以上の読み取り距離を実現するとの記載もあるのですが、どのような条件で、10m以上の読み取り距離が実現できるのか、試してみました。
タグ : Smartrac Midas Flag Tag
リーダー : デンソー BHT-1281
距離の測定には、レーザー距離計を使用しました。
レーザー距離計はm(メートル)単位で、小数点3桁まで測定できるのですが、今回の実験では、4回以上読み取った距離を計測して、平均値の小数点3桁目を四捨五入しました。本文の距離の単位はメートルとなります。
(1)材質による読み取り距離の比較
銅、鉄、アルミニウムの3種類の材質で読み取り距離を比較してみました。
※サイズは0.5×100×200(厚さ×縦×横)単位はmm
※銅、アルミニウムは純度99%以上(鉄には純度の表記なし)
リーダーのMANICA EXCEL TOOL で電波を4番目にして、立てかけた金属板を正面から読み取りました。
以下の順位と読み取り距離になりました。
1位 銅 : 5.55
2位 アルミニウム: 5.48
3位 鉄 : 5.36
今回3種類の金属だけで実験しましたが、電気伝導率の順位と一致するようなので、伝導率が高い金属ほど読み取りが良くなると思われます。
銅が1位でしたが、価格や入手の都合で、2位のアルミニウムで、次の実験を行いました。
(2)厚さによる読み取り距離の比較
厚さが 0.3mm、1mm、2mm のアルミニウムで読み取り距離を比較してみました。
※縦横は100×200で純度99%以上
(1)と同じ方法で実験し、以下の順位と読み取り距離になりました。
1位 0.3mm : 5.53
2位 0.5mm : 5.48 ※(1)で計測した値(異なる日に測定)
3位 1mm : 5.45
4位 2mm : 5.33
それぞれの差は小さいのですが、1位の0.3mmと最下位の2mmは20cmの差があり、薄い方が読み取り距離が長くなりました。
薄いアルミニウムという事で、安価で加工しやすいアルミ箔を使って、次の実験を行いました。
(3)読み取り距離10m以上に挑戦
リーダーの出力を最大にし、アルミ箔を小さいサイズから順に読み取り距離を測定しました。
※100均で買った幅25cmのアルミ箔を使用
※アルミ箔の材質に「アルミニウムはく」とのみ記載されていて純度は不明
※(1)、(2)と同様、アルミ箔のサイズの単位はmmとする
なお、風の影響でアルミ箔が動いてしまうので、プラスチックの下敷きで押さえました。
① サイズ250×200 : 5.87
(2)のアルミニウム板の2倍以上の面積があったたのですが、思っていたほど距離が出ませんでした。(アルミニウムの純度が低い?)
② サイズ250×300 : 6.94
③ サイズ250×400 : 9.40
最大で9.856mを測定したのですが、1度も10mを超える事はありませんでした。
④ サイズ250×500 : 10.40
安定して10m以上を測定できました。
ただし、10mを超えると、度々レーザー距離計が測定不可能となってしまいました。それらも考慮すると、平均距離は、10.4mより長かったと思います。
以上の実験から、サイズが250mm ×500mm以上のアルミ箔であれば、10m以上の読み取り距離を実現できる事が分かりました。
【おまけ】
金属製品で測定してみました。
物置 : 4.08
自動車 : 5.25
アルミ缶 : 5.16
アルミ蒸着PETフィルムの袋 : 8.08
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